OKAMOTO'S 6th ALBUM "OPERA OKAMOTO'S"

interview

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9.「エキストラ」

アルバムの唯一のバラードですね。

ショウそう、仮タイトルも「バラード」でした(笑)。

ローズピアノとオルガンでINO hidefumiさんが参加していて。たまらないですね、この音色は。

ハマ最初から松任谷由実さんの「卒業写真」の様な曲にしたいというイメージがありまして。この曲をINOさんに弾いてもらったら間違いないだろうなと。

ショウストーリーとしては雑踏の中にいる描写で。主人公が酔っ払って夢の中に落ちて、起きたらとんでもない状況で、少し落ち着いたところで冷静になって、そこから本気でヘコんでいくような流れにしたかった。“マジでどうしよう、俺は本当にダメなやつだな”と感じたり、自分の存在価値をあらためて見つめ直すような歌詞にしたかったんです。あとは、俺らはバンドとしてずっとバラードを鳴らすことから逃げていた節があったので。それが曲としてこんなに素敵なバラードを表現することができてよかったという実感も大きいです。

10.「ハーフムーン」

これはコウキくんが作詞作曲、そしてフルボーカルを担ってるんですけど。Fishmansオマージュに驚かされました。

コウキそうですね。ストーリー的には主人公が置かれている状況とはちょっと離れるんですけど。

FMラジオのチューニングを合わせて、とある番組から流れてきた桃源郷のようなポップミュージックが鳴ってるみたいな状況ですよね。

コウキそれに加えて、この曲を聴いて主人公が勇気づけられるという意味合いもあります。この曲で歌っている内容もあえて多くは言わないですけど、「Dance With Me」で歌っているラインとリンクしています。この曲もレイジの打ち込みが大活躍してますね。

レイジ俺的には『OKAMOTO’S』というアルバムに収録している「夢DUB」みたいなノリで打ち込みました。あの曲もコウキがメインボーカルに参加してるけど、この曲はコウキが初めてフルボーカルをとった楽曲でもあるので。

ショウこの曲に関しては、俺は頭のジングル部分以外は何もしてない(笑)。そこもポイントです。

11.「ZEROMAN(Album ver.)」

ショウこの曲もどのやってアルバムの中に位置づけるか相当悩みましたが、結果的にうまくいきましたね。「ハーフムーン」を聴いて勇気づけられた主人公が、女の子に会いに行こうと思って突き進んでいってしまう。やっぱりこの主人公は反省してないんですよね(笑)。ある意味ではいちばんポジティブな楽曲とも言える。

レイジそうそう。全財産を失ったけど、そのまま行っちゃえっていうね。でも、サウンドがチャラくないのがいい。

結果的にアルバムの中で既発曲である「HEADHUNT」と「ZEROMAN」でストレートなロックを補えたのもよかったですよね。

ショウ相当大きいですね。

レイジそう考えるとやっぱこのアルバムは本当におもしろい!

12.「Knock Knock Knock」

レイジくんが大活躍してる曲ですね。ヒップホップ的な方法論に則ったジャンルレスなサウンドで、辺境音楽的なムードさえある。

レイジシタールもたくさん入ってますしね(笑)。でも、時代に合ってるとも思うんですよ。フェスでも盛り上がると思いますし。流行を取り入れたニュアンスのあるサウンドをちょっと過剰に増幅させた感じというか。

でも、サビはめちゃくちゃキャッチーなんだよね。

ハマメンバー各々の解釈もよくわからないまま突き進んでいるのがいいなと。僕は、サビなんかは東京事変の「群青日和」の気分で弾いています(笑)。つまり、やっぱりポップスの要素は捨ててないんですよ。

ショウストーリーとしては、主人公が酩酊の旅のピークに入りながら、女の子の部屋の扉をノックし続けるも彼女は出てこない。でも、扉をノックをするという行為自体に救いを求めているという。

13.「楽しくやれるハズさ」

このサウンドもレイジくんがサウンドのイニシアティブを握っていて、ラテンのニュアンスも入ったトリッキーなヒップホップサウンドになってる。

ショウこの曲すごくいいですよね。ストーリー上では主人公がここでヘコむ。

レイジ『世にも奇妙な物語』なんかで、めっちゃ不穏なことが起きたときに流れるサントラみたいだなと思って(笑)。ショウから“ラップのディレクションしてくれ”と言われて、それもすごく楽しかった。ロックバンドがやるヒップホップという観点でも、だいぶおもしろいバランスの楽曲になってると思います。

14.「L.O.S.E.R」

ここからストーリーは終演であり終焉に向かっていくんですけど。

ショウそうですね。ここまでの楽曲でストーリーを説明してるので、ここからはもうあまり多くは語らないでおこうかと。アルバムの解釈はここからリスナーの想像力に任せたいですね。ただ、ここまで曲を積み重ねてきて、「L.O.S.E.R」に入ったときに主人公の苦しみがひとつの着地をして、リスナー自身も聴いていてグッとくる感じは演出できたかと思います。

15.「Beautiful One Day」

ショウ主人公がすごく美しい月を見せられて、さらにヘコんでしまうシーン。つまり、行くところまで行っちゃってる描写なんですけど。「Dance With Me」に繋がる最後のブリッジです。俺の中では細かいイメージがあるけど、やはりその解釈はリスナーに委ねたいですね。それこそ主人公が死を目前にして倒れて、見上げたら美しい月が見えたという情景でもいいですし、家にたどり着く前に見上げた月でもいい。とにかく主人公の1日が終わったんです。それが1曲目の「OVERTURE」にも繋がってくる。

16.「Dance With Me(Album ver.)」

ショウすべてはこの楽曲に帰結するためにこのアルバムのストーリーを書きあげました。主人公のストーリーがこの曲で燃え尽きると同時に、その温度感を残したままアルバムを最初から聴いてほしいという気持ちもありますね。リスナーのみんなが最後にどういう解釈をするのか。本当に楽しみです。

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